京都工芸繊維大学美術工芸資料館

京都工芸繊維大学

京都・大学ミュージアム連携

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Kyoto Institute of Technology

展覧会|Exhibition

【開館のお知らせ】

十分な感染防止対策を講じた上で、10月1日(金)より開館いたします。下記展覧会は、10月1日(金)を会期初日へ変更します。

2021.10.1 - 2021.11.6

開館40周年 企画展第2弾
美術の教育/教育の美術
美術の教育/教育の美術

  京都工芸繊維大学美術工芸資料館では、これまで、京都市立芸術大学と共催で、京都市立芸術大学・京都工芸繊維大学それぞれの前身校で展開された図案教育に関する展覧会を開催してきました。また、染織図案に対象を絞って、図案教育が制作の現場で果たしてきた役割を明らかにする展覧会も企画してきました。さらに、「明治から戦前期の教育資料―奈良女子高等師範学校と京都高等工芸学校」(2020年)では、奈良女子大学と共催で、両大学の前身校の教育課程における視覚教材を展示して、明治期の高等教育のあり方を考察しました。
  今回の展覧会「美術の教育/教育の美術」では、上記のような高等教育機関における専門教育の前の段階に焦点をあてて、近代の京都における図画・美術教育の展開を初等教育から高等教育の現場までを俯瞰して提示し、また、明治期の女子教育や修身教育さらには、歴史・国語教育においてヴィジュアルな教材がどのような役割を果たしたかを示します。そのうえで、京都高等工芸学校の図案科でおこなったデザイン教育がどのようなもので、20世紀初頭にあってどのような意味をもっていたのかを考察したいと思います。
  本展覧会により、伝統的に多様な美術工芸を育んできた京都で、美術工芸を近代化するにあたり、どのような教育がおこなわれたかが明らかになるとともに、この時期の他の教育ジャンルにおいて視覚教材がどのように活用されたかを示すことができればと考えています。

○開催期間
2021年9月27日(月)10月1日(金)から11月6日(土)
○休館日
日曜日・祝日、10月23日(土)
○開館時間
10-17時(入館は16時30分まで)
○会場
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
○入館料
一般200円、大学生150円、高校生以下無料
*京都・大学ミュージアム連携所属大学の学生は学生証の提示により無料
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳または被爆者健康手帳をお持ちの方及び付添の方1名は無料(入館の際は、手帳またはミライロIDの提示をお願いします)
○企画・主催
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
○協力
「京都の近代化遺産」発信プロジェクト実行委員会

◎関連企画
京都工芸繊維大学附属図書館では、ML(Museum & Library)連携展示「美術の教育/教育の美術」を開催中です。
資料館の半券を持っている方のみ、図書館の展示の見学が可能です。
(なお、現在、図書館は学外者の閲覧はご利用いただけません)

◎イベント
シンポジウム「京都の近代化遺産−近代化を支えた人びと」 [PDF]

  歴史都市と呼ばれることの多い京都は、どうしても古い社寺や古美術が注目を集めがちです。一方で、そのような古都イメージと現代社会の狭間にある近代−明治時代から戦前期−の京都にはなかなか注目が集まりません。しかし、この近代に古都京都は大きな飛躍を遂げます。
  近代の京都は、学校制度をいち早く導入し、博覧会を他の都市に先駆けて開催するなど、進取の気性に富んだまちでした。天皇の「東幸」という危機に直面したからこその動きであったとはいえ、新しいものを積極的に取り込んでいます。美術工芸という側面にだけ注目しても、さまざまな試みを大胆におこなって、文字通りの「近代化」を達成します。
  今回のシンポジウムでは、この近代の京都に注目をします。いずれも近代京都の美術工芸の発展に大きな役割を果たした千總(弘治元年〈1555〉創業)、島津製作所(明治8年〈1875〉)創業)、便利堂(明治20年〈1887〉創業)、芸艸堂(明治24年〈1891〉創業)に焦点をあてて、その活動がどのようなもので、どのような先進的な意義があったのかを考えてみたいと思います。さらに、そこでなにが生み出されて、なにが忘れられていったかということを明らかにしてゆきます。
  このシンポジウムを通して、近代京都の様相がすこしでも明らかになり、わたしたちの身近にある近代化の足跡にあらためて光が当たることを祈っています。

2021年10月3日(日)13:00〜17:00

13:00
開場
13:30〜14:00
開会挨拶・趣旨説明・展覧会紹介 
並木誠士(京都工芸繊維大学美術工芸資料館・館長)
14:00〜14:20
パネル発表「明治期の染織品―博覧会への出品と百貨店との商売を中心に」
小田桃子氏(千總文化研究所・研究員)
14:20〜14:40
パネル発表「明治期における高等教育機関への教材提供と教授らとの結びつき」
川勝美早子氏(島津製作所 創業記念資料館・学芸員)
14:40〜15:00
パネル発表「写真を使った美術出版の始まりと便利堂の展開、そしてコロタイプによる文化財保存」
山本修氏(株式会社便利堂コロタイプ研究所・所長)
15:00〜15:20
パネル発表「美術工芸界向けの出版事業の概要と教育現場での利用について」
早光照子氏(美術書出版株式会社芸艸堂)
休憩
15:40〜17:00
ディスカッション
司会:井戸美里(京都工芸繊維大学デザイン・建築学系・准教授)
パネリスト:加藤氏、川勝氏、山本氏、早光氏、並木
17:00
閉会挨拶

○実施形式
Zoom Meetingsシステムをつかったオンラインシンポジウムです。ご参加までに各自で利用環境を整えていただきますようお願いします。
○参加方法
事前申込制。先着50名(定員に達し次第、締め切ります)。参加費は無料です。
専用申し込みフォームからお申し込みください。
[シンポジウム申し込みフォーム]

シンポジウムの申し込みは9月末で終了いたしました。お申込みありがとうございました。

○企画・主催
「京都の近代化遺産」発信プロジェクト実行委員会
○共催
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
○助成
令和3年度文化庁地域と共働した博物館創造活動支援事業