京都工芸繊維大学美術工芸資料館

京都工芸繊維大学

京都・大学ミュージアム連携

©Museum and Archives,
Kyoto Institute of Technology

「大学美術館を活用した美術工芸分野新人アーティスト育成プロジェクト」(2016年度)

○プロジェクト概要

 京都工芸繊維大学美術工芸資料館は、2013年度より、美術・工芸・グラフィックデザインの領域で今後の活躍が期待される新人クリエイターの成長を支援することを目的とする「未来の途中」プロジェクトを実施しています。これまで30余名が参加してきたこのプロジェクトに、2016年度、公募と推薦によって9名の作家が、プロジェクト4期生として集まりました。
 今年度は、そのプロジェクト4期生による展覧会「未来の途中の星座―美術・工芸・デザインの新鋭9人」展(京都工芸繊維大学美術工芸資料館、2017年1月-2月)のほか、プロジェクト3期生による「未来の途中プロジェクト 手立てと方便」展(京造形芸術大学ARTZONE、2016年12月)、「未来の途中の、途中の部分」展(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2017年1月‐2月)、プロジェクト2期生による「オブジェダール」展(京町屋キャンパスににぎ、2017年1月‐2月)を開催します。

展覧会1

2016.12.3 - 2016.12.25

未来の途中プロジェクト2016
手立てと方便
手立てと方便

京都工芸繊維大学美術工芸資料館が若手作家の成長支援を目的に実施している「未来の途中」プロジェクトの3期生として、公募と推薦によって集った10名の作家たち。彼らは昨年度、「未来の途中のリズム-美術・ 工芸・デザインの新鋭10人」展(京都工芸繊維大学美術工芸資料館、2016年1月から2月)を開催しました。そして今年度、プロジェクト2年目のプログラムとして、京都にある15の大学附属ミュージアムのネットワークである「京都・大学ミュージアム連携」と連動し、京都造形芸術大学ARTZONEならびに京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAとタッグを組み、ゲスト作家として招聘したプロジェクト1期生と共に展覧会を実現することで、さらなる飛躍を目指します。
「新しい手段で制作せよ」。京都造形芸術大学ARTZONEでは、日本画の勢野五月葉、版画の河股由希と楠本孝美(プロジェクト1期生)、漆工芸の吉岡尚美、これまでそれぞれのジャンルの固有性に即したかたちで作品を制作してきた4名の出品作家たちに、こうしたインストラクションを課しました。新しいテーマ、新しいモティーフ、新しいコンセプト。次なるステップを目指す若手作家たちは、常に自身にとって「新しい」何かを模索し、日々実験や研鑽を重ねています。その中で本展が「手段」に着目するのは、それぞれの作家が制作の際に用いる「手段」 が、各作家の制作に対する考え方や振る舞いを規定していると考えるからです。
たとえば、丹念にデッサンを行ってから制作にのぞむ画家が、デッサンなしで絵を描くとき、どのような変化が起こるのでしょうか。あるいは版画家が支持体を変え、平面ではないものにイメージの転写を行うとき、 どのような作品ができあがるのでしょうか。
自らが慣れ親しんでいる作品を制作する際の「手立て」を一旦手放して、仮の手段である「方便」を使ってみること。そうすることで、それぞれの作家が無意識的に行っていた慣行を捉え返すこと。あるいは「方便」 を使ってもなお残る各作家の個性を明らかにすること。
本展での試みが、それぞれの作家の「未来の途中」に、さらなる展開を導くことを期待しています。


○出品作家
河股由希、勢野五月葉、楠本孝美、吉岡尚美


○開催期間
2016年12月3日(土)〜12月25日(日)
会期中無休


○会場
京都造形芸術大学ARTZONE
〒604−8031 京都市中京区河原町三条下る一筋目東入る大黒町44 VOXビル1・2階


○アクセス
電車・地下鉄:京阪電車「三条駅」または地下鉄「京都市役所前駅」から徒歩5分 阪急電鉄「河原町駅」から徒歩10分
バス:市バス3・5系統「河原町三条」から徒歩1分
※駐車場・駐輪場はございませんので、上記の公共交通機関などをご利用ください。


○開館時間
平日13:00〜20:00/土日祝12:30〜20:00


○入場料
無料


◎関連企画
アーティストトーク
日時:2016年12月11日(日)14:00−16:00
会場:京都造形芸術大学ARTZONE
出演:出品作家+ニシジマ・アツシ(サウンド・アーティスト)


主催:文化庁、京都工芸繊維大学、京都工芸繊維大学美術工芸資料館
制作:京都工芸繊維大学美術工芸資料館、京都造形芸術大学 ARTZONE
共催:京都造形芸術大学アートプロデュース学科
文化庁委託事業「平成28年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

展覧会2

2017.1.10 - 2017.2.24

未来の途中の星座‐美術・工芸・デザインの新鋭9人展
Constellation on the Way to the Future: 9 Newcomers of Art, Craft and Design
未来の途中の星座‐美術・工芸・デザインの新鋭9人展

 京都工芸繊維大学美術工芸資料館が若手作家の成長を支援する「未来の途中」プロジェクトをはじめて、4年目を迎えました。これまで30余名の美術・工芸・デザイン分野の20歳代・30歳代の作家たちと協働し、あらためて作家によって成長の定義は様々であること、そうであるがゆえに成長支援は一筋縄ではいかないことが分かりました。ともあれ、ふだん交流する機会の少ない現代美術作家と職人的な工芸作家が作品や制作活動をめぐって語り合ったり、プロジェクト参加作家同士がコラボレーションしたり、あるいは参加作家同士の交流からプロジェクトとは違った場での展覧会が自主的に組織されたりしていることは、このプロジェクトでしか生まれなかった成果であると言って良いでしょう。
 さて、この「未来の途中の星座‐美術・工芸・デザインの新鋭9人」展は、今年度「未来の途中」プロジェクトの4期生として公募と推薦によって選ばれた作家9名の作品を展覧するものです。なぜ星座なのか。ふたつの理由があります。ひとつは、夜空に見出される星座のように、出品作家同士や展覧会会場に並ぶ作品が展覧会をつうじて緩やかにつながることを期待しているから。もうひとつは、若手作家の道行きにあたらしい星座を描きたいと考えるからです。複数の星が結ばれ形づくられる星座と同じように、作家の「現在」は過去の色々な出来事から彼/彼女が得た経験によって形づくられています。本展ではそのようにしてある作家の現在=星座に対して、作品を発表・展示する機会、自作について思いを語る機会、キュレーターや批評家、そして鑑賞者のみなさまから批評を受ける機会を作ることで、働きかけを行いたいと考えているのです。
 「未来の途中」にいる9名の若手作家たちの瑞々しい表現を、鋭い眼差しをもって、存分にお楽しみください。


○開催期間
2017年1月10日(火)から2月24日(金) まで


○開催時間
10:00〜17:00(入館は16:30まで)


○休館日
日曜日・祝日、1月14日(土)


○出品作家
石黒健一、大橋麻里子、金寶恩、澤田華、細川華子、松浦茜、眞鍋沙智、守屋友樹、米原康人


○会場
京都工芸繊維大学美術工芸資料館


○入館料
一般200円、大学生150円、高校生以下無料
※京都・大学ミュージアム連携所属大学の学生・院生は学生証の提示により無料で入場できます。


◎関連企画
出品作家がゲストとともに、出品作品やこれまでの作品について意見交換します。

アーティストトーク1
2月4日(土)13:00−15:00 ゲスト:中井康之(国立国際美術館学芸課長)
出演:守屋友樹、米原康人、眞鍋沙智、松浦茜、石黒健一

アーティストトーク2
2月18日(土)13:00−15:00 ゲスト:清水有香(毎日新聞社学芸部)
出演:大橋麻里子、細川華子、金寶恩、澤田華


主催:文化庁、京都工芸繊維大学、京都工芸繊維大学美術工芸資料館
制作:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
文化庁委託事業「平成28年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

展覧会3

2017.1.28 - 2017.2.12

未来の途中プロジェクト 未来の途中の、途中の部分
Still on the Way to the Future
未来の途中プロジェクト 未来の途中の、途中の部分

 京都工芸繊維大学美術工芸資料館が若手作家の成長支援を目的に実施している「未来の途中」プロジェクトの3期生として、公募と推薦を通して集った10名の作家たち。彼らは昨年度、「未来の途中のリズム−美術・工芸・デザインの新鋭10人」展(京都工芸繊維大学美術工芸資料館、2016年1月から2月)を開催しました。そして今年度、プロジェクト2年目のプログラムとして、京都にある14の大学附属ミュージアムのネットワークである「京都・大学ミュージアム連携」と連動し、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAならびに京都造形芸術大学ARTZONEとタッグを組み、ゲスト作家として招聘したプロジェクト1期生とともに展覧会を実現することで、さらなる飛躍を目指します。
 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、プロジェクトタイトルである「未来の途中」という言葉の「途中」に焦点を当てます。参加作家たちは本展への出品作品の中に、それぞれの「未来」に対して、自分がまだ「途中」にあると思う「もの」・「こと」を表します。
 人は誰しも「途中」の中に存在することしかできません。仮に自分が想像した「未来」に到達することができたとしても、到達した瞬間にその到達地点は、「未来」へ向かう「途中」に変わることになります。私たちの現在は「途中」の中にあり続けるのです。そのような中で、具体的にどのように「途中」であるのかを知るためには、目標とする「未来」と自分の現在地点との距離を測る必要があります。これは、ただ漠然と「未来」を思い描くよりもはるかに難しい作業です。
 若き作家たちは、どのような「未来」を夢見て、そしてその「途中」のいま、どのような現在地点にいるのか。その表現を、彼らの「途中の部分」の向こう側にあるものを想像しつつ、ご覧ください。


○出品作家
小笠原周、香川裕樹、清田泰寛、小宮太郎、むらたちひろ(以上、プロジェクト3期生)、寺岡海(プロジェクト1期生)


○開催期間
2017年1月28日(土)〜2月12日(日)
月休


○会場
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
〒604-0052 京都市中京区押油小路町238-1


○アクセス
地下鉄:「二条城前」駅(2番出口)南東へ徒歩約3分
バス:「堀川御池」バス停下車すぐ
※駐車場・駐輪場はございませんので、上記の公共交通機関などをご利用ください。


○開館時間
11:00〜19:00


○入場料
無料


主催:文化庁、京都工芸繊維大学、京都工芸繊維大学美術工芸資料館、京都市立芸術大学
制作:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
文化庁委託事業「平成28年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

展覧会4

2017.1.28 - 2017.2.12

未来の途中プロジェクト オブジェダール
objet d'art on the way to the Future
未来の途中プロジェクト オブジェダール

 京都工芸繊維大学美術工芸資料館が新人アーティストの成長支援を目的に実施している「未来の途中」プロジェクト。このプロジェクトの2期生9名が、2度のグループ展を経て、今年、京町家で展覧会のための作品ではなく、受け手・買い手を想定した作品を出品します。居宅の設えの中で作品がどのように映えるか、ぜひご堪能ください。もちろん、お気に入りの作品が見つかれば購入していただけます。


○出品作家
荒井理行、石井聖己、門田訓和、嶋春香、高野友実、谷穹、前谷開、牧山智恵、吉田奈々


○開催期間
2017年1月28日(土)〜2月12日(日)
月休


○会場
京町家キャンパス「ににぎ」
京都市中京区三条油路西入南側)


○アクセス
地下鉄:烏丸線「烏丸御池駅」下車、6番出口から徒歩約10分
東西線「二条城駅前」下車、1番出口から徒歩約7分
市バス:堀川三条(系統9/快速59/12/50/67/101)下車、徒歩約5分
※駐車場・駐輪場はございませんので、上記の公共交通機関などをご利用ください。


○開館時間
12:00〜19:00


○入場料
無料


主催:文化庁、京都工芸繊維大学、京都工芸繊維大学美術工芸資料館
制作:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
協力:NPO法人生活環境づくり21・NPOフォーラム
文化庁委託事業「平成28年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」