「未来の途中」展展示風景(撮影:林口哲也)
「未来の途中」展におけるご自身の制作物を振り返って、どう思われますか?
昨年の「未来の途中」展には、グラフィックデザイナーとして参加しました。これまでにも展覧会の広報物をデザインする機会はありましたが、「未来の途中」展のような、ジャンルも制作スタイルもさまざまな作家が出展して、さらに自分もその展覧会に出展するということは、初めての経験に近かったかもしれません。
この展覧会のビジュアルのテーマとしたのは、「途(みち)」でした。展覧会のタイトルも「未来の途中」ですし、作家が今後も自分のスタイルで活動していくというようなことをビジュアルに落とし込むことができればと考えていました。ビジュアルのテーマは、割とすんなりと決まりましたが、デザイン自体は、かなり悩みました。12人の作家が参加する多様性のある展覧会なので、当初は、ビジュアルも色数を多めにした方がいいのではと考え、多数の色面で画面を構成するようなデザインにしていました。テーマとか展覧会の趣旨は、イメージし易いビジュアルになっていたかもしれませんが、それ止まりというか、12人=多色というビジュアルから受ける印象に、それ以上の想像の余地がないような気がしました。単純に、色数が多いデザインをすることに苦手意識があったということもありますが。
なので、この際、色数は限界まで減らそうということで、スミ1色とグロスニスの2色のデザインに落ち着きました。
展示作品としては、各作家の名前の頭文字をモチーフにして、作品をイメージした12枚のポスターを作成しました。直接、作品についてお話を伺うことができた作家さんもいましたが、ほとんどは作品自体から受けたイメージをビジュアルに展開したものです。
「未来の途中」展 展示風景(撮影:林口哲也)
「あれからの、未来の途中」展にはどのような作品を出品されますか?
今年の「あれからの、未来の途中」展の昨年との一番の違いは、展示会場が2会場に分かれているということです。会期が異なりますが、1月に開催される「これからの、未来の途中」展も含めると会場が全部で3会場ということとなります。広報物としては、関連の展覧会を含めた3つの会場で開催されていることが分かりやすく、そしてスムーズに会場間の誘導がおこなえることが理想だと考えています。
表現の部分では、昨年のものをある程度踏襲して、展覧会としてのイメージを構築していく必要があります。表現の部分と会場間の誘導に関する情報という機能的な部分がうまくリンクするようなデザインができればと考えています。
1982年
岡山県生まれ
2014年
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程造形科学専攻 終了
2010年
2014年
2013年
2014年