京都工芸繊維大学美術工芸資料館

京都工芸繊維大学

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展覧会アーカイブ|Exhibition Archives

2011.3.22 - 2011.5.8

ラヂオの時代−谷川俊太郎コレクションを中心に−
ラヂオの時代−谷川俊太郎コレクションを中心に−

「ラヂオ」という言葉を聞いて想い浮かべるイメージは人それぞれでしょう。
ラジオ体操、ラジオ講座、深夜放送…玉音放送を想う人もいるかもしれません。
ラジオドラマの舞台裏を語って秀逸な映像の世界をつくりあげた三谷幸喜の「ラヂオの時間」では、深夜便のトラックの運転手がラジオドラマの聞き手として重要な役どころでした。
「ジェットストリーム」の城達也の声を覚えている人も多いでしょう。
ラジオは眼前に映像があらわれないだけに、さまざまなイメージを人びとに喚起することができます。
テレビが普及する前、ラジオは人びとにとって貴重な情報源であるとともに、無限のイメージの源泉でもありました。
だからこそ、1938年オーソン・ウェルズがH.G.ウェルズの「宇宙戦争」をラジオドラマで仕掛けた時、人びとは底知れぬ恐怖を味わってパニックになったのです。
そして、ラジオはまた、機能の進歩とかたちの進歩が、テンポよくからみ合ったプロダクトデザインの好例でもあるのです。
鉱石・真空管…といった仕組みの変化、木から多彩なプラスティックへのかたちや色彩も含めた多彩な展開、 重厚な家具から卓上の洒落たアイテムにまで…まさに、ラジオは本学が掲げる「科学と芸術の出会い」を体現していると言ってもよいでしょう。
京都工芸繊維大学では、2010年度、詩人谷川俊太郎氏が永年にわたり収集された180点余のラジオと関連する書籍類の寄贈を受けました。
ラジオ工になりたかったと言われる谷川氏は、さまざまなラジオに愛情を注いでこられました。
そのコレクションは、ラジオの魅力を余すところなく伝えてくれます。
寄贈を受けたわれわれは、谷川氏の愛情を裏切ることのないようにして、科学と芸術の出会いの結晶としてのラジオの数々を大切に保存し、また、展示してゆきたいと思っています。
今回の展覧会「ラヂオの時代―谷川俊太郎コレクションを中心に―」では、谷川氏から寄贈を受けたラジオの一部に、本学が所蔵しているポスター類を組み合わせて、ラジオの多様なおもしろさと同時にラジオが人びとの生活に密接であった時代の雰囲気をあらわしてみたいと考えました。
ちょっと懐かしい想いにひたりながら、科学と芸術の出会いのおもしろさを堪能していただきたいと思います。

○会期
2011年3月22日(火)から2011年5月8日(日)まで
○休館日
日曜日・祝日

◎関連企画1

対談
谷川俊太郎ラヂオを語る
2011年3月29日(火)  18:00 - 19:30 (開場17:30)
@京都工芸繊維大学センターホール
○出演
谷川俊太郎
並木誠士(京都工芸繊維大学大学院教授・美術工芸資料館長・文化遺産教育研究センター長)
○参加費  無料
○申込  不要(当日先着順)

◎投票結果のお知らせ

2011年3月22日より美術工芸資料館で開催しておりました
文化遺産教育研究センター企画「ラヂオの時代―谷川俊太郎コレクションを中心に―」展は、5月8日をもちまして終了いたしました。
会期中にはおおくの皆様にお越しいただき、ありがとうございました。
ご来場の皆様に会場で実施いたしました展示ラジオの人気投票の集計が終わりましたので、 結果をお知らせいたします。ご協力いただいた方々には心より御礼申し上げます。
今後とも美術工芸資料館の企画をお楽しみください。

1位 SPARTON アメリカ合衆国 1936

2位 SPARTON アメリカ合衆国 1937

3位 STEWART WARNER アメリカ合衆国 1933

4位 SPARTON アメリカ合衆国 1939

5位 ISIS 香港 1900年代後半

○企画
京都工芸繊維大学文化遺産教育研究センター
○共催
京都工芸繊維大学美術工芸資料館