村野藤吾は、200以上もの優れた建築作品を遺した、多作の建築家として知られています。
しかしその多作の背後には、建物として実現することなく図面上の計画だけに終わった、数多くのアンビルト作品がありました。
第10回となる今回の村野藤吾建築設計図展は、アンビルト・プロジェクトに焦点を当てます。
京都工芸繊維大学が所蔵する村野の図面資料の中から、ダンスホール(1933年)、中山製鋼所附属病院(1937年)、橿原丸(1940年)、
宇部図書館(1949年)、東京都庁舎(1952年)、志摩グランドホテル(1973年)、文京学園仁愛講堂(1984年)など、
戦前から晩年にかけて計画されたものの実現しなかった18作品を選び、図面やスケッチ、そして模型を新たに製作し展示します。
村野藤吾は、生前から建築家として高い評価を受けていましたが、近年再評価が進んでいます。
今回の展覧会で取り上げる作品は、これまでほとんど知られていないものばかりです。
この展覧会を通じて、知られざる村野作品や、未だ建てられざる村野像を提示し、村野の新たな可能性を探りたいと思います。
また、12月6日(土)14時から福田晴虔氏(建築史家・九州大学名誉教授)、宮本佳明氏(建築家・大阪市立大学教授)を招き、
石田潤一郎(京都工芸繊維大学大学院教授)の司会によりシンポジウムを開催いたします。
会場は、昨年登録有形文化財(建造物)に登録された京都工芸繊維大学3号館の1階0311講義室、
入場は無料で定員は200名(申し込み不要、当日先着順)です。
○会期
2008年11月25日(火)から2008年12月26日(金)まで