京都工芸繊維大学美術工芸資料館

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展覧会アーカイブ|Exhibition Archives

2007.11.27 - 2007.12.22

第9回 村野藤吾建築設計図展 −村野藤吾・晩年の境地−

村野藤吾の作品は、戦前のモダニズム期から、様式性や装飾を重んじた繊細さ、豊かさを備えていましたが、
晩年、その造形の独自性は 一層深度を増すようになります。
それは、時には自由な線や面として、また時には華麗奇抜な内部空間やテクスチャーとして表れます。
しかしその独自性は、ただ自由度が増したというだけではなく、
一貫した理念や方法に支えられているようにも見えます。
それは一体何なのか。村野は晩年、どのような境地に達したのでしょうか。
9回目となる今年の村野藤吾建築設計図展では、箱根プリンスホテル(1978年)や谷村美術館(1983年)、
村野の没後に竣工した三養荘新館(1988年)など、1970年代から80年代にかけての相野の晩年の作品12点を取り上げます。
京都工芸繊維大学が所蔵する図面のスケッチ類を写真や模型などとともに展示し、村野の晩年を立体的に再考したいと思います。
近年、広島世界平和記念聖堂(1953年)をはじめとして、相野の作品は文化遺産として高い評価を受け、保存活用も進められています。
しかしその一方で、解体の危機に瀕している作品もあります。
晩年の、比較的近年に造られた作品でさえ、すでに解体されたものや、内部を中心に改装されたものが見受けられます。
この展覧会の開催が、村野の今日的評価を深めるよい機会となることを期待しています。

○会期
2007年11月27日(火)から2007年12月22日(土)まで
○休館日
日曜日・祝日

◎関連企画

シンポジウム
2007年12月8日(土) 14:00 - 17:00
@京都工芸繊維大学3号館311講義室
○パネリスト
長谷川堯(建築評論家・武蔵野美術大学教授)
神子久忠(編集者・日刊建設工業新聞社編集部長)
石田潤一郎(京都工芸繊維大学大学院教授)
○司会
松隈洋(京都工芸繊維大学大学院准教授)
○参加費 無料
○定員 200名
○申込 不要(当日先着順)