京都工芸繊維大学美術工芸資料館

京都工芸繊維大学

京都・大学ミュージアム連携

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Kyoto Institute of Technology

展覧会アーカイブ|Exhibition Archives

2013.7.6 - 2013.8.10

2013年度学芸員資格科目「博物館実習」
企画展1
デザインのための博物学
資料館にひそむいきもの達

京都工芸繊維大学の前身である京都高等工芸学校は、明治35年に設立されました。 設立当時の教授たちは、美術やデザイン、建築の教育のため、国内外を問わず選りすぐりの資料を収集しました。 そうした資料には、当時西洋化していった建築、インテリア、家具、装飾品のデザインソースとなる役割が与えられました。
初代教授の一人である浅井忠は、教育の現場や自身の作品制作過程において、デザインをする素地として生物などを実際に観察し描写することを重視していました。 そのため浅井らが収集した資料には、美術作品や工芸作品だけでなく、生物標本も含まれていました。
本展では、このようなデザイン制作のための多岐にわたる資料収集を「博物学(動植物や鉱物・岩石などの自然物を収集・研究する学問)と捉え、 第一章では、明治期に集められた生物標本や生物モチーフの作品を展示します。さらに第二章では、そういった資料を参考にしながら試行錯誤を経て制作されたであろう、 当時の本学の学生や教授がデザインした図案・工芸作品を展示します。
この展示を通して、資料館にひそむ「いきもの」たちの生き生きとした姿に触れて頂き、明治期のデザイナーたちが外国の影響を受けながら生物モチーフをいかに図案に落とし込んだかをご覧頂きたいと思います。

企画展2
目・視線:ポスター芸術における表現と意図

これまで、芸術家たちは目をモチーフとした作品を数多く生み出してきました。 目を扱った作品を数多く描いた芸術家のひとりにオディロン・ルドンがいます。 彼の作品に代表されるように、「目の造形は見る者に強烈なインパクトを与え、引き付け、魅了してきました。
ポスター芸術の中でも、目を取り上げた作品は多く存在しその表現は多種多様です。 端的な言葉と図だけで人にその内容を伝える必要のあるポスターは、先に述べた点によって目が効果的な手段となり得るからです。 しかし、これまでのポスター展において目に焦点を当てた展示はされてこなかったように思います。 今回の展示によって、「ポスター芸術における目」という新しい側面が見出されることを期待します。
今回の展示は、どのように目が表現されているか、その造形の違いを比較する第1章、視線やその対象となっているものが意図的に描かれているものが何かを探る第2章によって構成されています。
作品それぞれの「目はどのような感情を示しているのか。そしてその表現から、何を訴えかけようとしたのでしょうか。ポスターをじっくり鑑賞しながら感じ取ってみてください。

*この展示は2013年度学芸員資格科目「博物館実習」の一環として企画されました。

○開催期間
2013年7月6日(土)から2013年8月10日(土)まで