石田歩(1957年〜)は、1991年から「図画工作展」と名づけた不思議な造形作品を次々と発表し、注目を集めてきた造形作家です。
題材として取り上げられているのは、ラジオやカメラ、レーシングカーやトロリーバス、トロッコや機関車、そして、工場や発電所など、日本の近代をつくりあげてきたものばかりです。
しかも、それらは、石田の眼差しによって抽出化されたものであり、どこにも実在しません。
けれども、膨大なデッサンと精密な作り込みによって生み出された独自の作品群は、いずれも、どこか懐かしく、それでいて強い存在感を醸し出しています。
この展覧会では、現代では失われた人間の無名の営為への敬意の思いが細部にまで込められた工作少年・石田歩の世界を紹介し、その造形力の魅力に迫りたいと思います。
○開催期間
2013年3月25日(月)から2013年5月6日(土)まで
○作家在館日
2013年4月27日(土) 13:00−17:00
ギャラリートーク(石田歩×松隈洋)
2013年4月27日(土) 16:00−17:00
@京都工芸繊維大学美術工芸資料館1階