京都工芸繊維大学美術工芸資料館

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展覧会アーカイブ|Exhibition Archives

2012.1.23 - 2012.3.3

高峰譲吉邸と京都高等工芸学校
高峰譲吉邸と京都高等工芸学校

高峰譲吉は、アメリカの地で消化酵素タカジアスターゼの製造やアドレナリンの結晶化に成功し、 化学者として世界的な偉業を成し遂げたことで知られています。
高峰は化学者として医学に貢献する一方で、日米間の相互理解を促進するべく国際交流に尽力しました。
彼はニューヨークに日本クラブやジャパン・ソサエティを創設し、 ワシントンDCのポトマック河畔に桜を寄贈するために奔走するなど、 親密な日米関係を構築するための様々な試みを展開していきます。
そうした国際親善を推進する場のひとつに日本的意匠を施した高峰邸があります。
1904年のセントルイス万国博覧会終了後に日本館を譲り受けた高峰は、 ニューヨーク州サリバン郡メリーワルドに移築し、日米親善のための社交場として活用しました。
1912年にマンハッタンのリバーサイドドライブに建てられた高峰の本邸も異文化相互理解を目的として、 室内に本格的な日本的意匠を施しました。
これらの室内意匠を請け負っていたのが、京都高等工芸学校初代助教授であった牧野克次です。
牧野は中澤岩太や武田五一といった京都高等工芸学校初期の教授陣の支援を得て高峰邸の室内意匠に取り掛かります。
高峰邸の室内意匠には、京都高等工芸学校との深いつながりを見いだすことができます。
また、セントルイス万国博覧会に出品経験のある山中商会や川島織物が関わっていたことも高峰邸の特徴のひとつです。
本展覧会では、日米両国の親善の場となった二つの高峰譲吉邸に注目し、それらの建設経緯と室内意匠を紹介するとともに、 高峰および京都高等工芸学校教授陣が意図した日本的意匠について考えます。

○会期
2012年1月23日(月)から2012年3月3日(土)まで
○休館日
日曜日・祝日および2月25日(土)
※但し、2月11日(土・祝日)は開館いたします。

◎関連企画

ギャラリートーク
2012年2月11日(土・祝)  11:30 -
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