京都工芸繊維大学美術工芸資料館

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展覧会アーカイブ|Exhibition Archives

2010.1.18 - 2010.3.11

建築家 本野精吾 展−モダンデザインの先駆者−

本野精吾(1882-1944)は、東京帝国大学建築学科を卒業後、 京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)教授であった武田五一の招きによって、 1908年に同校図案科教授に就任します。
その後ドイツ留学を挿んで35年間デザイン教育をリードしながら、建築家やデザイナーとして多彩な活動を行いました。
1927年には「日本インターナショナル建築会」を設立し、その後ブルーノ・タウトの来日を実現させたことでも知られています。
建築作品では、西陣織物館(現・京都市考古資料館、1914年)、本野邸(1924年)、鶴巻邸(現・栗原邸、1929年)、 京都高等工芸学校本館(現・京都工芸繊維大学3号館、1930年)の4作品が現存しています。
うち2作品が優れた日本近代建築としてDOCOMOMOに選定され、 他の2作品も国や市の登録文化財となるなど、その価値が高く評価されています。
中でも本野邸は、理念と形態の両面を追求した、日本で最初のモダニズム建築と言っても過言ではありません。
本野の活動は建築にとどまらず、インテリアや家具、食器、工芸、グラフィック、舞台、衣装、船体デザインにまで及びました。
広告の研究団体「プレスアルト研究会」を設立し中心的役割も担いました。
さらにエスペラント語の普及に努め、南画を嗜み、ヴァイオリンを演奏し、西洋音楽の普及にも貢献しました。
本野は、モダニズムの理念と方法を貫き、また常に実験的でした。学術の街京都ならではのものだったと言えるかもしれません。
本野についての初めての展覧会となる今回は、建築やデザイン活動など、幅広くその業績を紹介します。
しかしそれが一作家の紹介に留まらず、日本のモダニズム建築やデザインのあり方を再考する機会となることを目指しています。

○会期
2010年1月18日(月)から2010年3月11日(木)まで
○休館日
日曜日・祝日

◎関連企画

シンポジウム
2010年2月23日(日)14:00〜
@大学センターホール
○パネリスト
藤森照信(建築史/東京大学教授)
西澤英和(建築保存工学/関西大学准教授)
宮島久雄(近代デザイン史/前・国立国際美術館館長)
笠原一人(近代建築史/京都工芸繊維大学大学院助教)
○司会
松隈洋(京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)