京都工芸繊維大学美術工芸資料館

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展覧会アーカイブ|Exhibition Archives

2006.3.22 - 2006.5.31

吉阪隆正展 京都展
吉阪隆正展

吉阪隆正は、戦後まもない1950年から1952年にフランス政府給付留学生としてパリへと渡り、 20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエのアトリエに学びました。
帰国後は、母校の早稲田大学で長く建築教育に携わる一方、精力的な設計活動を続けた建築家です。
その独特な風貌と個性的な作風で知られますが、 吉阪は、地球的なスケールと文明論的な視野で幅広く建築や都市を真撃に考え抜いた思想家でもありました。
人とものとのかかわりを見つめて、その豊かな関係性を探る「有形学」を提唱しつつ、 あるときは壮大な地域計画をあらわし、そして、ものに命を込めるディテールにこだわり続けた実践者でもあったのです。
この展覧会は、2004年に開催された吉阪隆正展を元に、 さらにいくつかの計画案やその模型、彼の残したスケッチブックなどを加え、 その全体像に迫り、現代への意味を深く広く読み取ろうとするものです。
たくさんの学生の手によって制作された模型や措き込まれた原図、写真などを適して、 吉阪隆正の「頭と手」に触れていただきたいと願っています。

吉阪隆正  Yoshizaka Takamasa (1917〜1980)
1917年 東京都生まれ。
1933年 ジュネーブ・エコール・アンテルナショナル卒業。
1941年 早稲田大学理工学部建築学科卒業、教務補助として大学に残る。
1950 - 1952年 フランス政府給費留学生として渡仏、ル・コルビュジェのアトリエに勤務。
1954年 早稲田大学理工学部吉阪研究室ぐ64年U研究室と改称)を設立。
1959年 早稲田大学理工学部教授となる。
1980年 63歳で死去。
ヴェネチア・ビエンナーレ日本館、呉羽中学校、アテネ・フランセ、大学セミナー・ハウスなどを設計する。
また、今和次郎に、師事し、農村、都市、地域への提案を展開。
「住居学汎論」など多数の著作があり、「吉阪隆正集全17巻」としてまとめられている。
日本建築学会会長、生活学会会長を歴任。日本山岳会理事を務め、赤道アフリカ横断とキリマンジャロ登頂、 早大アラスカ・マッキンレー遠征隊隊長、そしてヒマラヤK2遠征を組織するアルピニストであり、 地球をその足で駆け巡り、人と人をつなぐ、ことばとかたち、生活とかたちを語り続けた

○会期
2006年3月22日(水)から2006年5月31日(水)まで

○巡回予定
2006.06.10 - 2006.06.24
@九州大学西新プラザ

◎関連企画1

講演会
吉阪隆正の世界
2006年4月15日(土)  14:00〜
@京都工芸繊維大学3号館1階0311号教室
○講師
重村力(建築家・神戸大学教授)
○参加費  無料
○定員  120名
○申込  不要(当日先着順)

◎関連企画2

シンポジウム
講演会
吉阪隆正の建築思想
2006年4月22日(土)  14:00〜
@京都工芸繊維大学3号館1階0311号教室
○講師
鈴木恂(建築家)
齋藤祐子(建築家・SITE)
北田英治(写真家)
○参加費  無料
○定員  120名
○申込  不要(当日先着順)

◎関連企画3

講演会
吉阪隆正と現代
2006年5月20日(土)  14:00〜
@京都工芸繊維大学3号館1階0311号教室
○講師
内藤廣(建築家・東京大学大学院教授)
○参加費  無料
○定員  120名
○申込  不要(当日先着順)