京都工芸繊維大学美術工芸資料館

京都工芸繊維大学

京都・大学ミュージアム連携

©Museum and Archives,
Kyoto Institute of Technology

展覧会|Exhibition

2022.2.21 - 2022.4.23

開館40周年記念企画展第4弾
牧野克次と霜鳥之彦 ―洋画家の多彩な顔―
牧野克次と霜鳥之彦 ―洋画家の多彩な顔―

 京都工芸繊維大学の前身校のひとつ京都高等工芸学校は、明治35年(1902)に設立されました。色染科、図案科、機織科という三つの学科で構成されており、染織・陶芸など京都の伝統工芸が近代化するにあたり、機械、化学さらにはあたらしい図案(デザイン)という側面でのバックアップが期待されていました。
 その図案科では、ヨーロッパのあたらしいデザイン思潮を積極的に取り込む教育がおこなわれていました。そして、当時の図案科での教育で重視されたのが絵画教育でした。デザインとは、きちんとした絵画制作のうえにつくられるという方針だったからです。初代校長である中澤岩太が視察先のパリで出会った洋画家の浅井忠に教授就任を要請したのが、そのなによりの証です。
 そして、浅井忠の下で助教授になったのが、大阪出身の洋画家である牧野克次で、講師には浅井の従兄弟でもある、やはり洋画家の都鳥英喜が任じられました。
 牧野は、浅井忠が京都に来る直前に結成された関西美術会の中心的メンバーのひとりでした。浅井や都鳥が京都に来てからの交流の様子は、洋画家を中心に多くの作家や学者が集まった親睦会である二十日会の記録からも伺うことができます。
 絵画制作を重視する教育体制であったため、図案科の学生のなかにも画家を志す人がいました。そのなかのひとりが一期生の霜鳥正三郎(之彦)です。霜鳥は、のちに京都工芸繊維大学で教鞭をとることになります。そして、牧野と霜鳥のふたりは、1906年にアメリカへと旅立ちます。
 京都工芸繊維大学美術工芸資料館では、牧野・霜鳥両家のご関係者様から段階的に貴重な作品・資料類のご寄贈をいただきました。それぞれ、膨大な数に上りますが、今回の展覧会では、その一端をご紹介することで、洋画家であるふたりのアメリカでの仕事や多彩な業績、本学とのかかわりを示してみたいと思います。
 最後になりますが、関係者の皆さまにはあらためて感謝の意を表したいと思います。なお、2022年は京都高等工芸学校が開校して120年、また、2021年度は美術工芸資料館が開館して40周年になり、本展覧会も開館40周年記念企画の一環として開催するものです。

        

○開催期間
2022年2月11日(月)から4月23日(土)
○休館日
日曜日・祝日、2月25日(金)、2月26日(土)、3月12日(土)
○開館時間
10-17時(入館は16時30分まで)
○入館料
一般200円、大学生150円、高校生以下無料
*京都・大学ミュージアム連携所属大学の学生は学生証の提示により無料
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳または被爆者健康手帳をお持ちの方及び付添の方1名は無料(入館の際は、手帳またはミライロIDの提示をお願いします)
○企画・主催
京都工芸繊維大学美術工芸資料館         

   

◎関連イベント
ML(Museum&Library)連携企画
シンポジウム「学術コレクションと大学-保存と活用-」

本シンポジウムは、大学の教育・研究に資する個人コレクションと大学史を示す資料類など「学術コレクション」の意義と価値をあらためて確認するとともに、大学図書館とミュージアムがその受け皿として機能することの利点と問題、作品や資料の保存と活用について、大学ミュージアムに携わってこられた講師を招いて事例を共有し、意見交換を行います。
多くの方のご参加をお待ちしています。
詳細、チラシは[附属図書館のウェブサイト]をご確認ください。

○開催日時
2022年 3月 6日(日) 13時30分 〜 16時30分
オンライン開催
○講師
橋爪節也 (大阪大学総合学術博物館教授,大学院文学研究科(兼任)文学部教授)
五十嵐公一(大阪芸術大学芸術学部教授,大阪芸術大学博物館副館長)
並木誠士 (京都工芸繊維大学特定教授,京都工芸繊維大学美術工芸資料館館長)
○参加方法
@当日参加 A後日視聴
○申込方法
事前申込制。
以下の申込フォームに必要事項をご記入の上お申込みください。
URL)https://www.kit.ac.jp/entry/view/index.php?id=190622

○お問合せ
京都工芸繊維大学附属図書館
075-724-7185
library*jim.kit.ac.jp(*を@に変更してください)

主催:京都工芸繊維大学附属図書館
共催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館